| ■一つ屋根の下 5題 朝一に聞く君の声■ 目覚ましより早く目が覚めた。 まぶたは殆ど閉じたままで、手だけで自分の横のスペースを探る。 探しても、きっと見付からないだろう事は、既に承知の上だけど。 それでもやっぱり、僅かに残った彼女の気配を、無意識に探って。 ようやく諦めて、ベッドから這い出る。 ドアを開けると、いつも通りのコーヒーの香りと、食事の支度をする音。 洗面所で洗濯機が回っていて、カーテンの開かれた部屋は、朝の日の光を存分に取り込んでいる。 毎朝の、決まった光景。 台所仕事を一折終えたらしい彼女は、ダイニングテーブルの椅子に腰掛け、いつの間に持ってきたのか、朝刊を広げながら、お決まりの紅茶を飲んでいる。 ・・・なんだかババくせぇなぁ・・・ そう思うと一つ苦笑して、どうやら俺の存在にまだ気づいていないらしい彼女に近付く。 熱心に活字を追う彼女を、背中越しにのっかかる様に柔らかく抱く。 驚いたのか、一瞬身を竦ませるが、ほぼ同時にほうっ、と息をつき、肩を落とす。 腕の中で顔だけをこちらに向け、毎朝交わされる言葉が、今日も彼女の唇に乗る。 「おはよう、カワハシ」 「おはよう、輝愛」 耳元で聞こえる彼女の声が、毎朝くすぐったく感じて。 眠りに落ちる最後まで聞こえていた声が、君の声で。 朝起きて、一番に聞こえるのも、君の声。 有り触れた、いつも通りの毎日の、 ただほんの些細なそれですら。 俺にとっては、至福の、時だったりするのだ。 伝えてもきょとんとするだけだろうから、彼女に言うつもりは、無いけれど こんぺいとう読みきり 朝一に聞く君の声 終わり |
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| あとがき おっさん視点です。 いかがでしょうか。 なんかもう本編とえれー違うじゃねーか的な、 こう、管理人大丈夫か的なカンジですが(w |
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